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日本語の意味するところは、金儲けや権力欲のために手段を選ばず遂げようとするような山野心とはおよそ対極にある目標です。
達成されることに、関係者のみならず周辺の人々までが歓喜するような次元の高い目標なのです。
遠大にして感動を伴う高逼な目標を達成するために、何よりも必要とされる究極的な人間的属性といえば庁強い意志でしょう。
ただし私は、志を持って努力する人が、天分として他の人より特別に強い意志を与えられていると思っていません。
人はみな本来苦労を厭い、安きに流れやすいものですが、志を持って生きる人は、遠大にして感動を伴う目標をつねに志す、いや日本語で最もふさわしい表現を使えば日々念ずる点で、何の志も持たずに生きている人と区別されるのです。
短い期間では、志を持つ者と持たぬ者との経済的ないし社会的格差は必ずしもはっきりしませんが、1年とか5年とか10年の長い期間になれば、もうどうしょうもなく大きなものとなっていきます。
この差はそれぞれの個人の天分とか努力よりも、他人から受けた恩恵によってより大きく聞いていくのです。
人生で人は多くの人と出逢います。
とくに志のない人にとっては、出逢った人はすべて行きずりの人にすぎないのですが、志のある人、とくに高遁な志を抱いた人は、その志に惹かれた多くの人との出逢い好運によって思いがけないさまざまな恩恵を受けるものなのです。
まさにこの好運こそ高い志に対する賜物に他ならないのです。
Fの対象であるところで、そうして得られる運を生かすか殺すかはその人次第です。
つまり、第3に「運も熟練の対象」となるのです。
この聞き慣れない表現に戸惑われる人も多いことでしょう。
逆境に育ちながら起業し、あらゆる苦労を重ねた末に成功を得た経営者を一方に想定し、他方に、やんごとない家庭に育ち、何の苦労も経験せずに学生時代を過ごした後、父親の会社に入り、経営者の地位を得た人を想定してみましょう。
この2人が同じ時代に同じ業界にいたとして、この業界を脅かすような大きな企業環境の変化が進行した場合、この悪運に対して、皆さんはどちらの経営者の対応が迅速かつ適切だと思いますか。
月強運の持ち主は、単に心の持ち方だけでなく、自分に生じた悪運の処理においてはるかに熟達していると考えるのが自然でしょう。
「泣き面にハチ」と「笑う門には福来る」ということわざが良く知られていますが、これらは2つ合わせて、「悪運には悪運が取りつきやすく、また幸運は幸運を招くものだ」という意味に解釈して差し支えないでしょう。
誰もが人生で経験したことがあるように、運同士は不思議な因縁でかかわっているように思われてなりません。
どの固にも、そのことを示唆することわざが必ずあります。
例えば「人を呪われた、穴二つ」とか「短気は損気」といったことわざはどれも、悪運にめぐり合ったときの戒めと受け取って良いでしょう。
若いころからいろいろな試練を経て、豊かな人生経験を持った人は、好運にめぐり合ってもいたずらに舞い上がらず、この運を次の好運につなげるために思案をめぐらします。
逆に、悪運にめぐり合っても、やたらに腐ったり落ち込んだりせず、この運が次の悪運につながらないよう冷静な対処を心がけます。
人生経験の浅い人は、好運に対しても悪運に対しても適切な対応ができず、運を失敗の契機にしてしまうのです。
この意味で、私たちは運。
ですら熟練の対象と考えるべきなのです。
一口に運と呼べるもののすべてに、多かれ少なかれ人知ではどうにもならない偶然性があることは誰も否定はできませんが庁出逢いだけは、どうしても単なる偶然の産物と割り切ることはできません。
こう考えると、「人はその人生で、その人にふさわしい運にめぐり合う」という言葉の意味がぐっと重みを増してくるではありませんか。
最初の出逢いそのものは単なる偶然であったとしても、その際お互いが意気投合するとか、相手に感銘を与えることがなければ、きっかけに、親密で貴重な人間関係が生まれくるはずはなかったに違いないからです。
「事業の成否を左右する」程の人物との出逢いともなると、単なる偶然から生まれることこそ不自然に思えるはずです。
知遇ということばがあります。
辞典を引くと、「人格や識見を認められて厚い待遇を受けること」といった定義がされていますが、一般には、「経済力や社会的地位を持った人との出逢いを契機に、相手からやがて望外の支援を得られるようになること」を意味します。
そういう立場の人を会う気にさせるには多くの場合、当人に相手を魅了する何かがあったためだと考える方が自然でしょう。
こうした出逢いにとって双方の年齢とか立場とかは全く問題にはならないことは、N・Hの人生の展開が何よりも端的に示唆してくれます。
彼は19世紀から20世紀初頭における各界の成功者約500人との対話の内容を検討することによって成功の本質を探究した後、などたくさんの著作を世に問い、米国のみか世界中で知られています。
いったい彼がなぜ多くの成功者に出逢えたかといえば、26歳のときにAの知遇を得ることができたからなのです。
とから、Kはご承知のごとく「鉄鋼王」という異名を奉られた大実業家で、Hの青年時代にはまさに功成り名遂げた存在でした。
一方、経済的に恵まれていない家庭に育ったHは、府余曲折を経てどうにか大学に進学をした後、雑誌に成功者たちとのインタビュー記事を書いて学費の足しにしようと思い立ちました。
その最初のインタビューの相手が、何とKだったのです。
年齢も立場もまるきり違うわけですから、Kは多分「若い記者のために、ちょっと時聞を割いてやろうか」といった程度の軽い気持ちで自分のオフィスで会ったはずですが、会話がはじまると、次第にHよりはKの方が話に熱が入りはじめました。
いつしか3時間が過ぎたころKは、「まだまだ話し足りない。
どうだ、私の家へ行き、一緒に食事をしてから、また続きをしよう」とHを誘いました。
食事の後も話は尽きず、Hはとうとうその日も、その翌日も、その翌々日もKの邸に泊まることになりました。
KはHに対し「これまでのような哲学書の哲学でなく、自分が人生で学びとったような巨富を築く4哲学」の必要性をいろいろな表現で話した後、最後の晩に一つの提案をしたのです。
「私が紹介する500人の人にインタビューして、私の話した庁新しい哲学をプログラム化する仕事をしないか。
20年はかかる、だろう。
ただし、私は(君のためにならないと思うから)資金援助は一切しない」と。
「(この世界一の金持ちが)3日間も私に話をしたのには、何か目的があるはずだ。
彼は私自身がまだ気づいていない、何らかの才能を私に見出したのかもしれない」と考えた。
紹介状にしたがって、企業経営者はもとより政治家から科学者の成功者、ないし成功途上にある人々にインタビューをくり返しました。
戦後の日本は、急変した国際関係にも大いに助けられたとはいえ、戦争による筆舌につくせぬ荒廃に打ちひしがれず、朝鮮動乱を契機としてわずか5年で戦前の経済水準を回復します。
その後は勢いに乗って経済成長をつづけ、15年で米国に次ぐ経済大国に躍進するという世界の奇跡を達成しました。
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